時を味わう連載 Magazine
みにみつこちゃん人形
2026.3.21

手のひらの中の、小さな物語
ある日、町の小さなマルシェでふと目が合ったのは、手のひらサイズの小さなお人形。色とりどりにおしゃれして、ちょこんと並んだその可愛らしさ。微笑むような優しい表情と、ユーモラスなアイテム使いに一瞬で心奪われました。
「みつこのつくる小さい人形=みにみつこちゃん人形」と名付けられたこの人形の作者は、府中市在住の人形作家mitsucoさんです。2015年に府中市地域おこし協力隊として東京から上下町にJターンをした彼女は、かつてこの町に伝統的な人形文化があったことを知り、独学で人形作りを始めました。
はるか昔、縄文時代や江戸時代に生きた人々は「人形」にどんな想いや願いを込めたんだろう…そんな風に想像を巡らせながら、石粉粘土で丁寧に形を作り、アクリル絵の具を使って鮮やかに彩色します。個別のオーダーを受けて制作するのではなく、降って湧くインスピレーションを元に、心に思い浮かんだものを形にしているから、その時々で生まれる人形にはひとつとして同じものはありません。


人形は生活必需品ではないけれど、その存在が人々の気持ちを柔らかく豊かにしてくれたなら。そして、この町の人形文化が未来に繋がりますように。そんな思いを込めてmitsucoさんの手から生み出されるみにみつこちゃん人形は、今日もオシャレして、ご機嫌な顔で、持ち主のことを見守ってくれています。
取材協力/人形作家 mitsuco
ー有光 梨紗さんー
2015年、精神保健福祉士として働いていた東京から府中市地域おこし協力隊として上下町に移住。2017年、上下町に人形文化があったことを知り、独学でオリジナルの人形制作を始める。人形を通じてたくさんの出会いがあることが日々の喜びと励みになっており、イベントや委託店舗で人形を販売するほか不定期で絵付け体験も行っている。