時を味わう連載 Magazine
商いをつなぐ古道具
2026.4.7
2026.FebruaryーMarch
連載企画/時を味わう
取材協力/SLOWHAND DEPARTMENT/素白(そはく)

次の暮らしへ手渡す家具
スローハンドデパートメントは、明治から昭和初めにかけて作られた家具を中心に、時代を越えて生き続けてきた古道具と、静かに向き合い続けています。
旧家の片付け、役目を終えた商店、古い蔵や時の節目を迎えた建物の現場。かつて誰かの暮らしや商いを支えてきた家具を前の持ち主から受け取り、埃を落とし、傷に手を添えながら、次の時間へとつなげていきます。
虫喰いを直し、木肌をあらわにする。
剥離したての素の木には、水性のケアを施し、防虫・防カビ・防腐という人にも家具にもやさしい手当てで土台を整えます。ガラスショーケースや水屋箪笥など、合板であっても、意匠の美しさが際立つものは残し、時にはリペイントや扉を替えながら。それらは、目に見えないところに丁寧に手を加えることで、ふたたび、穏やかに息を吹き返します。そのひと手間が、安心という心地よさに変わり、深呼吸したくなるような、木の温もりを生み出します。
「古いけれど、清潔で使いやすい」。半年から一年に一度、蜜蝋やワックスで手入れを施すことで、時を重ねるほどに深まっていく風合いを楽しめる、アンティークを届けています。

選ばれ、使われ、またつながる
古いものが好きで、経年による変化や、そこに残る気配ごと楽しみたい。そんな感覚を持つ人たちが、スローハンドデパートメントを訪れています。
「素白(そはく)」の店主も、その一人。店に置く家具を探す中で選んだのは、静かな存在感と、時間をまとった古家具でした。引き出しの深さ、棚板の高さ、手を伸ばしたときの距離感。スローハンドデパートメントで選ばれた古家具は、素白の店内で静かに役割を持ち、商品が並び、人を迎え、再び新しい時を重ねています。

こうして古道具は、暮らしから商いへ、商いからまた誰かの記憶へとつながっていきます。スローハンドデパートメントを訪れる人たちは、その流れに静かに身を委ねることを自然と楽しんでいるのかもしれません。
取材協力|素白(そはく)
住所:尾道市向東町1011-1・2F
営業時間:11:00~17:00
営業日:木・金・土曜日+α
取材協力|スローハンド・デパートメント
福山市神辺町湯野176-2 店舗 OPEN 11:00〜18:00
営業日 土・日・月曜日 0120-663-471